報告者
東アジア文化研究科 1年次 王天恵
渡航先
中国 北京(中国国家図書館・北京魯迅博物館)
研究活動期間
2023年8月10日 ~  2023年8月25日

目的・概要


 北京にある中国国家図書館に行って「丁氏医学叢書」出版状況を調査した。

現地の様子や渡航を通じて感じたこと


 中国国家図書館で、私は所蔵している多くの目録集を順に比較し、そして丁福保出版の上海医学書局の出版書目録を見つけた。この出版書目録は、今までの丁福保関連研究で完全に無視されてきた資料である。そのため、この資料を使用することは「丁氏医学叢書」の書誌の種類を定義する上で重要な意義がある。

 丁福保に関する研究には、丁福保と一緒に出版活動をした兄の丁宝書と息子の丁恵康に関する資料が不足していた。そこで丁福保に関する家族記事と地方記事を見つけて調べた。

 また、北京にいる間、北京魯迅博物館にも調査に行った。魯迅は日本で医学を学んだ人なので、魯迅博物館はこの方面の資料を完全に保存しているだろうと思う。更に、魯迅が日本で医学を勉強したのはちょうど1904から1906年までで、私が当時の日本の医学教育の状况を理解するのに役に立つ。そこで魯迅が日本滞在中に学んだ医学課程の内容を調べることにした。しかし、北京の魯迅博物館はこの部分の公開を拒否した。そのため、私は他の方法で1900年から1915年までの中日医学教育情況を調査する。

今後、海外で研究活動をする関大生へ一言


 中国・北京にある中国国家図書館には大量の図書が収録されている。Webで書誌名を検索して本の状態を調べるだけでなく、研究者も図書館に行って類似の書誌を読むことで、より有用な手がかりを調べるべきである。現在はデータベースの進化に伴い、図書館に行くモチベーションを減らしている人も多い。しかし、データベースが十分に便利であっても、図書館で時間をかけて調べることは、かけがえのないアプローチである。