事業統括挨拶


 博士課程後期課程の学生は、日本の科学技術・イノベーションの将来を担う存在ではありますが、近年、博士課程前期課程(修士課程)から博士課程後期課程への進学者数は減少傾向にあります。このような状況を踏まえて、JST(科学技術振興機構)では、博士課程後期課程の学生が研究に専念できる環境を整備し、卓越した博士人材の育成や輩出を目指す事業として、2021年度に「次世代研究者挑戦的研究プログラム」を開始しました。

 本事業は、既存の枠組みを超えて優秀な博士課程後期課程の学生の選抜などを行う事業統括を選定し、当該事業統括により選抜された学生に対する生活費相当額および研究費の支給や、キャリア開発・育成コンテンツの提供をはじめとする多様な支援を行うものです。

 本学は、2021年度に採択された「豊富な産学連携・地域連携と連動させた「考動力」人材育成プロジェクト」に続き、2024年度に「次世代を生き抜くための「考動力」と「革新力」を兼ね備えた博士人材育成プロジェクト」として採択されました。本プロジェクトは、博士課程後期課程学生が、高度な知識・技能を修得し、卓越した「考動力」と「革新力」をもつ研究者もしくは高度専門職業人として、単独の専門領域では解決困難な研究領域に対し、複数の専門領域を連携・融合した学際的研究を推進することで社会から要請された様々な課題解決に取組み、持続可能な社会と Well-being な社会の実現に貢献できる人材の育成を目的とします。

 博士課程後期課程の学生には、本学が有する豊富な産学連携・地域連携および学内の様々な支援プログラムへの参画、海外での研究活動に対する積極的支援、インターンシップ支援などを通じて、研究と実社会にまたがるトランスファラブルスキルを醸成させ、多様なキャリアパスを描けるよう期待しています。また、学生の選抜には、従来の研究科の枠組みを超えて優秀な学生を選抜すべく、事業統括に加えて副学長、学長補佐、研究推進副部長、研究推進部URA、外部有識者等による審査・選抜チームを構成して、多角的な観点により選抜を行います。

山本 秀樹(事業統括)
大学院理工学研究科・環境都市工学部
教授