研究内容

 プラズマ窒化およびプラズマ溶射などの表面処理技術に加えて,人工知能(AI)を活用した放電プラズマ焼結や,金属材料の代表的な加工法である鋳造に関する研究を行っています.
 現在行っている研究は以下のとおりです.これらの研究の一部は,公的研究機関などと共同で行っています.
 共同研究の研究テーマであっても主として大学で研究を行っています.

1.AI・機械学習を活用した材料開発に関する研究
  放電プラズマ焼結法は,機械的な加圧と被加工物の粒子間に発生する放電プラズマを駆動力とした焼結法です.『AI・機械学習によるシミュレーションを活用した新規材料開発(マテリアルズインフォマティクス)』に取り組み,また熱処理による組織制御を応用して『高強度材料の創製』に取り組んでいます.

2.プラズマ窒化に関する研究
 プラズマ窒化法は,窒素ガスを含む低真空中でグロー放電によって形成されるプラズマを利用して窒化を行う表面処理法です.『当研究室で考案した金属製コンビネーションスクリーンを用いる新しいプラズマ窒化法により,窒化層の上に複合窒化物層を形成』させ,金属材料の硬さ,耐摩耗性や疲労強度などの機械的性質を向上させることを目的に研究を行っています.

3.プラズマ溶射に関する研究
 プラズマ溶射法は,高融点の金属・セラミックスを基材に吹き付け皮膜を作製する技術です.プラズマ溶射法は,溶融液滴が基材に衝突し凝固する際の冷却速度が極めて大きいです.このプラズマ溶射の急速凝固を利用し,『微細粒子を分散させた新規ハイエントロピー合金の創製』に取り組んでいます.

4.鋳造に関する研究
 凍結鋳型鋳造法は,「水」と砂のみを混練して凍結させた鋳型を用いる鋳造法です.この方法は,有機粘結剤を用いず「水」のみを使用するため,自然環境および作業環境に負担を与えない環境低負荷型の鋳造法です.この鋳造法を応用した『新しい環境低負荷型鋳造法の開発』に取り組んでいます.