研究内容

研究テーマ

 機能物質工学研究室では、高い機能を有する無機系の材料の合成や、合成したものの機能を活かした新しい用途に関する研究を行っています。これらを通し、エネルギーや環境問題に貢献しようとしています。

 例えば、ペットボトルの原料となるパラキシレンは、キシレン異性体混合物から分離して製造されていますが、現状の製造方法では、分離に多くのエネルギーを消費しているため、省エネルギーでの分離が求められています。そこで当研究室では、キシレン異性体の分子サイズの違いを利用してふるい分けすることで分離できるような「分子ふるい」の探索を行っています。また、福島第一原子力発電所では、冷却水中に含まれる放射性元素の除去をイオン交換により行っていますが、より廃棄物の少ないイオン交換材が求められています。そこで当研究室では、イオン交換容量が大きく、セシウムをより選択的に除去できる材の開発を行っています。この技術を応用して、将来不足すると考えられているリチウムの安価な製造につながる材料の研究も行っています。さらに、エタノール、グリセリンや乳酸と言ったバイオマスから得られる化合物を、付加価値の高い化合物に変換する研究にも注力しています。

 省エネルギーを重ねてエネルギー問題の解消に貢献し、また、バイオマスを有効に利用することで化石燃料の消費、すなわち二酸化炭素排出量の低減に貢献します。さらに、リチウムやセシウムの回収によりエネルギー、環境問題の解決に貢献していきたいと考えています。