研究設備

ここでは、各研究で用いられている研究設備の紹介をしています。


ロータリーキルン

カーボンナノチューブ(CNT)を合成する装置の1つ。CNTの代表的な合成法にはアーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相成長法(CVD法)が知られています。ロータリーキルンはこの中でもCVD法で用いる装置です。合成用触媒を撹拌しながらCNTを合成できるので収量を向上できます。


横型固定床反応装置

CNTを合成する装置の1つ。水平に設置した石英管内に触媒を仕込み、反応ガスと反応させます。


縦型流動層反応装置

CNTを合成する装置の1つ。垂直に設置した石英管内に触媒を仕込み、反応ガスと反応させます。触媒が反応ガスにより撹拌されるので反応性が向上します。


高精度全自動ガス吸着装置
BELSORP-miniⅡ

試料の比表面積や細孔径分布を測定する装置です。電気二重層キャパシタに用いられる活性炭は、その細孔構造によって性能が大きく変わります。キャパシタの評価を行う際にこの装置から得られるデータは非常に有用です。


3FLEX

BELSORP-miniⅡ同様、比表面積や細孔分布を測定する装置ですが、3FLEXのほうがより低相対圧での測定が可能です。


イオンクロマトグラフィー
ICS-5000

イオンクロマトグラフィーは水溶液中のイオン成分の定性・定量を行う装置です。水処理班の処理前後の水溶液のイオン成分の変化を測定することができます。


電位差自動滴定装置
AT-510

酸塩基中和滴定を自動で行う装置です。この装置を用いて炭素材料の表面についた官能基量を逆滴定法で定量しています。


レーザーζ(ゼータ)電位計
ELS-6000

ゼータ電位とは溶液中に分散した微粒子の表面電位のことです。微粒子の分散した溶液に電圧をかけることで帯電した微粒子が泳動します。この電気泳動速度からゼータ電位を算出します。


乾式自動密度計
AccuPic Ⅱ 1340

固体の細孔を除く真の体積から真密度を測定する装置です。キャパシタの単位体積当たりの電気容量を評価するために使用しています。


差動型示差熱天秤
(DTA: Differential Thermal Analysis)
DTG-50

熱重量測定装置
(TG: Thermogravimetric Analysis)
TGA-50

試料の温度を連続的に変化させた際の質量変化を測定する装置です。TGでは温度変化に伴う試料の質量変化を測定することができます。DTAは温度を変化させた時の試料で起こる化学変化に伴う熱変化と質量変化を同時に測定することができます。


大型水処理装置

この装置を用いて様々なイオン(Ca2+,Mg2+,Cs+等)の除去を試みています。


電気化学測定
HZ-3000, HZ-5000, HZ-7000

研究室で作製したリチウムイオン電池の基本的な性能を測定します。充放電測定やインピーダンス測定ではどれほどリチウムが充電されているのか、電池の抵抗値はどれほどなのかなど、リチウムイオン電池にとって必要不可欠な情報を得ることができます。


フーリエ変換赤外分光装置
(FT-IR: Fourier Transform Infrared Spectroscopy)

化合物分子の赤外線吸収スペクトルを利用して化合物を定性する測定装置です。本研究室では炭素材料がもつ表面官能基の同定に利用しています。


可視・紫外分光装置
(UV-vis: Ultraviolet-Visible Absorption Spectroscopy:UV-VIS)

可視光線・紫外線領域の波長をもつ電磁波を溶液に照射し、その吸光度からランバート・ベールの法則により、溶液濃度を測定する装置です。グルコース溶液濃度の変化からグルコースセンサの性能の評価を行っています。


四重極型質量分析計
(QMS: Quadrupole Mass Spectrometer)

昇温反応法、昇温脱離法、パルス法において生成したガスの定性分析を行う装置です。ガスセンサの反応温度の解析やCNTの成長過程の分析を行っています。

共通機器

電界放出型走査電子顕微鏡
(FE-SEM:Field Emission Scanning Electron Microscope)
エネルギー分散型X線分析装置
(EDX: Energy Dispersive x-ray Spectroscopy)

SEMは試料に電子線を照射し、はじき出される2次電子を検出することにより、試料の表面形態を画像として観察することができる装置です。

SEMに付属するEDXは電子線を照射したときに発生する特性X線を分析することにより、試料表面に存在する元素の成分を分析することができます。


透過電子顕微鏡
(TEM: Transmission Electron Microscope)

TEMは試料に照射した電子線のうち、試料を透過してきた電子線の濃淡を画像として観察する装置です。透過電子を検出するため、試料の内部構造についての情報が得られることが特徴です。そのため、本研究室ではTEMをCNFの積層構造の確認や、炭素材料に担持した触媒の観察に利用しています。


X線回折装置
(XRD: X-ray diffraction)

XRDは試料にX線を照射したときに散乱、干渉した結果起こる回折X線を解析し、構成成分の同定、結晶子サイズの計測を行う装置です。


X線光電子分光装置
(XPS: X-ray Photoelectron Spectroscopy)

XPSは試料表面に軟X線を照射し試料表面のごく近傍の元素組成や化学シフトの情報を得るための装置です。アルゴンイオンによるエッチングにより試料表面を掘り、深さ方向の測定を行うことも可能です。


Raman分光装置

試料に光を照射すると反射、屈折、吸収、散乱が起こります。散乱の中でも、入射光と同じ波長をもった光が散乱する場合(レイリー散乱)と入射光と異なる波長をもった光が散乱する場合(ラマン散乱)があります。このラマン散乱光を分析することで分子レベルの構造を解析する方法です。