シカゴのNational Museum of Mexican Art

投稿者: | 2024-03-19

去年から、様々な国や地域で、移民や多様な文化的ヘリテージを持つ人々の歴史や文化、芸術作品などを扱った美術館・博物館のことを調べています。この文章からもわかるように、移民に関する美術館・博物館といっても、歴史的事実を扱うものや、芸術を中心とするもの、特定のエスニックグループを専門に扱う美術館や博物館もあれば、その国や地域における人の移動全体を俯瞰するもの、一般的な美術館が特別展示で移民を扱うケースなど、本当に多様なのですが、現時点ではとりあえず目についたものはできる限り行ってみるという方針です。

今回はシカゴのPilsen地区にあるNational Museum of Mexican Artを訪れました。Pilsenという地名は、この地区にはもともとチェコからの移民が多く、チェコの都市名(Pilsen)をとってつけられた歴史ある地域です。その後、Pilsenにはメキシコ系の移民が多く移り住むようになり、さらに中心部から公共交通で20分程度という便の良さもあって、芸術家のアトリエやギャラリーが並ぶ地区になっています。

National Museum of Mexican Artは、寄付によって運営されており、入場料は常に無料です。なかには常設展示の他、特別展示を行えるギャラリー、そして地元のティーンエイジャーに芸術を指導するための教室や、イベントに使えるホールなども備えた立派な美術館であり、コミュニティの中心として重要な役割を果たしていると感じました。