オリゴ糖とは

オリゴ糖の定義

オリゴ糖とは、単糖がグリコシド結合によって2~10個ほど(厳密には定義されていない)結合したものを指します。

オリゴ糖の種類

普段みなさんが口にする砂糖。これもグルコースとフルクトースが結合したオリゴ糖の一種で、スクロースと呼びます。その他にも、当研究室でも取り扱っているシクロデキストリン等、非常にたくさんの種類があります。

シクロデキストリンに関する研究

両親媒性シクロデキストリンの合成

本研究は両親媒性シクロデキストリン(CD)を合成し、DDS(薬物輸送システム)に応用することが目的です。投薬治療の理想は、薬を必要量・必要な時だけ・必要箇所にのみ到達させることであり、これを実現するために世界中で推し進められているのがDDS研究です。

これは高機能化されたキャリヤーを開発し、標的指向性や組織滞留性の向上などを達成することで、最大限の薬効を目指すものです。私の研究ではDDS研究の一環として、薬包素材として利用できるシクロデキストリン(CD)誘導体の合成を行っています。

糖鎖クラスター型CD誘導体の調製

糖鎖は細胞表層においてタンパク質など他の分子との相互作用を通じて生体内の情報伝達・物質認識に深く関与しています。しかし糖鎖とタンパク質との相互作用は非常に弱いことで知られており、結合親和性を向上させるためには、適切な空間距離と配向性を保った糖鎖の集積化が有効であると考えられています。

実際に糖タンパク質は多分岐構造、糖脂質は集合構造を形成し集積化することによって、糖鎖を特異的に認識するレセプターとの相互作用を増強しています。これを糖鎖クラスター効果と呼び、このような糖鎖の集積化構造をモデル化した化合物群を糖鎖クラスター化合物(GlycoCD)と呼びます。

本研究では糖鎖クラスター効果を利用したDDSキャリヤー調製の一環として、環状オリゴ糖であるシクロデキストリン(CD)の構造と機能に着目しました。CDをコア部分として、HIVの表面タンパク質gp120に特異的に認識される硫酸化ガラクトース(3-SO4-Gal)を結合させることにより、糖鎖の集積化を行いました。さらに、CDの包接能を利用して、抗HIV活性を有するフラーレンC60の包接形成能に関しても検討を行いました。