丹波・六甲ゼミ合宿(2025年7月19日〜20日)

2025年7月19日から20日にかけて、関西大学初等教育学専修 山田ゼミのゼミ合宿を実施しました。今回は、教育実践に関する資料調査および地域理解を目的とし、兵庫県丹波地域および六甲方面を訪問しました。

7月19日(初日)

午前中は、芦田恵之助に関する資料をご寄託くださる方のご自宅を訪問しました。いずみ会関連の未刊行資料を含む関係資料に加えて、東井義雄の『培其根』などの教育実践に関する貴重文献をダンボール7箱分もご提供いただきました。また、資料のご厚意に加えて、元小学校教員であるご本人から当時の教育を取り巻く状況や教育観について直接お話を伺うことができました。同行した学生にとっても、一次資料と実践者の語りを同時に体験する貴重な機会となりました。とりわけ、提供者の先生のお人柄や暮らしぶり、奥様とのご関係など、お話の背後に垣間見える人格的な素晴らしさに、「教容」(いずみ会で重視される教師の姿、振る舞いを指す言葉)を体現されている行為者としての教師のお姿を見てとることができました。
合宿中、この訪問で伺った言葉やお姿をもとに、学生同士で繰り返し意見交換を行いました。

午後は、関西大学佐治スタジオを訪問しました。同施設は、丹波地域における関西大学の地域連携拠点として位置づけられており、今後実施予定のチェンジラボラトリーの活動拠点となる場所です。施設の見学に加えて、スタッフの植地さんとの情報交換も行いました。

その後は、丹波地域の文化的背景を知るための活動として高原寺を訪問しました。当日は風鈴の展示が行われており、寺院の空間に特有の静けさの中で、季節の演出を体感することができました。

道の駅をいくつか巡りながら移動し、丹波市の名産や地域経済に関する理解を深めました。


夕方には、六甲山中にある関西大学の六甲山荘に到着しました。セミナーハウスの利用は初めてでしたが、充実した設備のもと安心して過ごすことができました。夕食後には学生同士での自由な対話が自然に生まれていました。

7月20日(2日目)

朝食後、山荘をチェックアウトし、午前中は音の森ミュージアムを見学しました。音や楽器をテーマとした展示を通じて、五感を活かした体験的な学びについての関心が深まりました。

午後はテアトル梅田にて、関西大学を舞台とした映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』を鑑賞しました。

学内の風景が映像化されることにより、普段の学習環境を異なる視点から再認識する機会となりました。夕方には関西大学へ戻り、資料の運搬を行ったのち、映画にも登場した喫茶店「ケープ・ゴット」にて懇親会を行いました。映画の感想や今回の合宿に関するふり返りが自然に共有される場となりました。

今回のゼミ合宿は、資料調査、地域視察、文化体験、映画鑑賞を含む多面的な行程によって構成されました。学生にとっては、教室外の学びを通じて、教育実践や教育資料の持つ意味について具体的に考える機会となたように思います。今後も、こうした学外活動を通じて、理論と実践を架橋する視点を共に育んでいく予定です。