科研費・基盤研究(A)「拡張する学校を創る」第1回国際シンポジウム(オンライン)
「社会文化的な教育の方法―日本型教育の可能性を問う
(Sociocultural pedagogy: Questioning the possibility of Japanese-style education)」
今年度に開始となり今後5年間にわたり取り組んでいく研究プロジェクト、2022年度〜2026年度 科学研究費・基盤研究(A)「拡張する学校を創る―変革的エージェンシーの形成へ―」(研究代表者:山住勝広、課題番号:22H00084)では、第1回国際シンポジウム「社会文化的な教育の方法―日本型教育の可能性を問う」を、イギリス、マンチェスター大学の日本研究(Japanese Studies)の上席講師(Senior Lecturer)、ピーター・ケイブ(Peter Cave)先生をお招きして、2022年9月26日(月)にオンラインで下記の通り実施いたします。
ケイブ先生は、現代日本の学校教育に関する国際的にトップレベルの研究成果である二つのご著書Primary School in Japan: Self, Individuality and Learning in Elementary Education (2007, Routledge)とSchooling Selves: Autonomy, Interdependence, and Reform in Japanese Junior High Education (2016, University of Chicago Press)で有名な日本研究者です。これらのご研究の非常に刺激的な方法論は、日本の教育の隠された文化的・歴史的な特質に関する理論研究と、日本の小学校・中学校現場で先生ご自身によって長期的になされたエスノグラフィックな研究のデータとが見事に結合されているところにあります。そのようにしてケイブ先生のご研究は、日本の教育に関する従来の国際的な研究がとどまっている、制度や方法の表面的な紹介のレベルをはるかに超えるものとなっています。
ケイブ先生は、こうしたご研究の中で、日本の小学校における授業と学習を、「社会文化的な教育の方法(sociocultural pedagogy)」という概念からとらえておられます(Cave, 2007, pp. 44–46)。それは、学習者と社会文化的状況との相互作用を強調する教育方法です。また、ケイブ先生は、日本の小学校におけるこの「社会文化的な教育の方法」が、子どもたちひとりひとりの「個性(individuality)」をどう尊重していけるのかについても、根本的な問題として問うておられます。
本国際シンポジウムは、このような「日本型教育」について、改めてその可能性を考えてみようとするものです。ご関心をおもちの皆様のご参加をお待ちいたしております。
● 日時:2022年9月26日(月)18:30–20:30
● 使用言語:日本語
● 参加費:無料
● 参加申込:次のPeatixにて申込受付
https://peatix.com/event/3357128/view

● Zoomによる配信:配信方法はメールでお知らせします。
● 主催:

・科学研究費・基盤研究(A)「拡張する学校を創る―変革的エージェンシーの形成へ―」(研究代表者:山住勝広、課題番号:22H00084)
・科学研究費・基盤研究(C)「野村芳兵衛の新教育思想と生活教育を基盤にした学校カリキュラム構成の実証的研究」(研究代表者:冨澤美千子、課題番号:20K02467)
● プログラム(敬称略)
国際シンポジウム「社会文化的な教育の方法―日本型教育の可能性を問う」18:30–20:30
・ピーター・ケイブ(Peter Cave:マンチェスター大学)「日本の学校教育の可能性と課題―集団、仲間、主体」
・冨澤 美千子(横浜美術大学)「アメリカ学校調査から見る日本型教育」
・白數 哲久(昭和女子大学)「STEM教育とものづくりの日米比較」
・山住 勝広(関西大学)「日本の小学校教育における拡張的学習の可能性」