Stuhlはいかがですか

ドイツの薬局に行き、下痢止めの薬を買おうとした。店員は私にStuhlはいかがですかと尋ねる。私はそばにあった椅子を指して、椅子がどうかしたのですかと逆に尋ねた。その若い女性薬剤師は困ったような顔をして、それ以上何も言わなかった。ともあれ薬は買った。後日、Stuhlには便通の意味があるということがわかった。正確にはStuhlgangと言うらしい。

この経験を別のドイツ人に話すと、「Stuhlにもいろいろあるさ」と言われた。またあるとき、医者からStuhlprobeをすると言われ、一瞬何のことかわからなかった。検便のことだった。あれこれ辞典を調べると、古くからトイレの意味で使われていたようだ。オックスフォード英単語由来大辞典(柊風社)でstoolを引くと、「大便」を指すようになったのは、「腰掛式便器」からであると記してある。ヴェルサイユ宮殿でそうしたものが使われていたというのは聞いたことがある。みなさん、Stuhlにはご注意あれ。

執筆:工藤康弘

砂糖の山?

2018年、ドイツに滞在していた折、ニュースで話題になっていたのだが、見出し語に「砂糖の山」と書かれている。トラックが横転して、積んでいた砂糖が道路に散乱したのかと思っていたが、どうもそうではないらしい。

「砂糖の山」は人名だった。私はSNSにはまったく疎いので、このニュースの内容がわからなかったのだが、Facebookのユーザーデータが不正使用され、CEOのZuckerbergが謝罪したというニュースである。これは英語名なので「ツッカーベルク」ではなく「ザッカーバーグ」と発音する。英語母語話者はこの名前を見て砂糖の山を連想するだろうか。

執筆:工藤康弘

ganz ohne, bitte!

ドイツのカフェーかレストランでコーヒーを注文した。「ブラックで飲む」をドイツ語でどう言うのかよくわからない。砂糖もミルクもいらないと言ったら、ウェートレスさんがOh purと言っていた。いわゆるピュアであろう。またあるドイツ人はIch trinke schwarzと言っていた。そうも言うのか。

あるときohne Zucker, ohne Milchと言うのが面倒くさくてganz ohne, bitteと言ったら、ウェートレスさんがぷっと吹き出した。何で笑ったのかわからなかったが、ともあれ砂糖もミルクもなしで飲んだ。後日、別のドイツ人にこのことを話すと、ganz ohneは「素っ裸」という意味だという。確かトップレスのことをoben ohneと言うので、さもありなん。

執筆:工藤康弘