越前大野市における地下水流動特性および3次元水理地質構造の調査

本研究の対象地域は、福井県大野市である。大野市は豊かで良質な地下水に恵まれた城下町として知られており、古くから生活用水や工業用水など、様々な用途の水源として地下水が利用されてきた。しかし近年では、融雪時に大量の地下水をくみ上げるなどの理由から、地下水位低下による井戸枯れなどの事例が生じている。そこで、この豊富な地下水が決して無限にあるものではなく、地域共通の貴重な資源であることを市民が認識し、未来永劫保全し利用し続けていくためにも、大野市の地下水の現状を把握する必要がある。したがって本研究の目的は、大野盆地の地下水賦存量の推定である。内容は、重力解析により基盤標高を算出し、未だに判明していない基盤面や帯水層の構造を3次元でモデル化し、地下水賦存量の推定につなげる。なお、モデル作成には、3次元地質モデリングを可能とするソフトフェアであるGEO-CREを用いた。