戦貫期東アジア中国語圏において頻繁にリメイクされた『蝴蝶夫人(蝶々夫人)』の映画(一部粤劇)について基礎的な考察を行いました。『蝴蝶夫人』をめぐる作品群は、あまり注目されてこなかった「中国人男性—南方の中華系女性」のパターンとよく知られている戦後香港の「香港(中国)人男性ー日本人女性」のパターンに大別したうえで、それぞれの意義について確認したものです。『蝴蝶夫人』の系譜は、第二次世界大戦から冷戦期を連続した現象として捉えることの重要性を示す視座をもたらすものと考えています。
当該論文は関西大学リポジトリからダウンロードすることができます。
菅原慶乃《蝴蝶夫人》在華語文化中的漂流與重生 : 民族認同、冷戰寓言與貫戰時期東亞電影系譜、『關西大學文學論集』 第75巻第4号(2026年3月)、171-191頁
https://doi.org/10.32286/0002003827

*出展『電影圏(港版)』第27期(1955年9月)より。『自君別後(新蝴蝶夫人)』は先行研究では言及されてこなかった作品。主演の石英(日本人・森蝶子役)と趙雷(中国からの留学生・陳志元役)。
