「いつものようにほら笑ってごらん」と
すました顔で君に告げた
君の瞳は今僕に向いてる
けど僕の後ろ そう遠い遠い空を見ているんだ

君が目を閉じる前に 淡雪を君の指に
溶かしておくれ 君の暖かさで
溶かしておくれ 僕も一緒に 連れてっておくれ

「幸せだよ」とふとつぶやいたから
はにかんでそっと君に触れた
涙の数と微笑みの数だけ
僕らの時間は この遠い遠い空に消えてゆくんだ

君の目を閉じてあげよう 撫でるように愛するように
枯らしておくれ 僕の涙を
枯らしておくれ 僕のこの声を 連れてっておくれ

「遠い場所へゆきたいの」
そんな君の願いに こんな形でしか応えられない僕は
君の首筋に手をかけたその瞬間から もうここにはいない

でも淡雪はまだ 君の指に残っているよ
さぁ 連れてっておくれ