研究テーマ

進行中の研究テーマ

月が丘住宅という千里山にある建物で卒論の実験を始めました。
https://www.kansai-u.ac.jp/ordist/about/institution.html

予定している研究テーマ

1.温熱環境が人の睡眠や体温調節に及ぼす影響

 空調設定による温度,湿度,気流などの温熱環境が異なる住宅の寝室や避難所を模擬した体育館などでの冷暖房を使用しない温熱環境で,人が眠った場合に,どのような影響がみられるかを物理環境の測定とともに,睡眠変数,生理反応,ならびに,主観申告への影響を調べる。

2.換気が居住者に与える影響

 換気は,室の用途により,建築基準法では住宅の場合0.5回/時のように,換気回数が定められている。教室での学習時には,二酸化炭素の増大が眠気を増やし,学習効率の低下を招くという報告もある。しかし,寝室環境における空気質が睡眠に及ぼす影響について不明な点は多い。そのため,住宅においての実測ならびに,睡眠への影響や翌日の感覚やパフォーマンスへの影響を調べる。

3.設備機器の違いにより形成される温熱環境の人体影響とエネルギー消費の関係

 温熱環境を形成する放射,対流,伝導などの伝達経路を使った設備機器が人の温冷感,快適感や皮膚温などの体温調節に及ぼす影響と,その機器を使用時のエネルギー消費との関係について調べる。

4.住宅の断熱改修等による居住者の健康影響に関する研究

 住宅の断熱・気密リフォーム工事等により,室内環境がどう変化するか,また,それによって居住者の生理・心理・行動や睡眠について,どういった影響があるかを調べる。

5.夜間の睡眠が翌日の覚醒度やパフォーマンスに及ぼす影響と日中の環境との関係

 前夜によく眠れないと翌日は眠気が高まり,作業効率が低下する。これまで,日中の,特にオフィス等での執務時には,前夜はよく眠れていたことが前提で環境設定されており,その日の体調や睡眠不足などの影響は検討されていない。そこで,睡眠不足などが日中のパフォーマンスに及ぼす影響や,寝不足時のオフィス環境の有り方などについて検討する。

6.労働環境における物理環境と疲労感・パフォーマンスとの関係

 食品工場や建設現場など,労働環境は労働者にとって必ずしも最適な環境ではなく,製品の安全衛生のための制御が実施されている環境や過酷な屋外環境で労働者は働いている。そのため,労働者は一般環境とは異なる温度や音などに晒されている。労働環境の実態とそこで働く人の疲労感やパフォーマンスとの関係についての研究を行う。

これまでの研究テーマ

空調システムが睡眠に及ぼす影響に関する研究

目的デシカント空調による湿度制御が睡眠に及ぼす影響を明らかにする
実験概要SALA住宅のモデルハウスで睡眠実験を行う
環境条件:(湿度制御あり,湿度制御なし)
測定項目: 室内温湿度,風速,皮膚表面温度,深部体温,心拍変動など
実験の流れ:

睡眠時における対流空調と放射空調の比較実験

目的対流空調と放射空調が睡眠に与える影響について比較する。
実験概要学内の実験室にて睡眠実験を行う。
環境条件:(冷房27℃前後,湿度制御なし)
実験の流れ:
実験風景
対流空調
放射空調
風速の比較

労働環境の評価と熱中症予測

目的建設現場における労働時の熱中症を予防する。
実験概要人工気候室を用いて被験者実験を行う。
環境条件:(気温35℃,相対湿度64%)
作業条件:(段差昇降 80 steps/min)
着衣条件:(Tシャツ,パンツ,靴下,作業着上下,作業靴,ヘルメット)
実験の流れ:
実験風景
空調服
空調服
N-back課題
TMT課題

睡眠の質と翌日の作業効率

目的季節と睡眠の質翌日の作業効率の関係を調べる
実験概要普段の睡眠についての測定
翌日にテスト(P300, PVT, クレペリン)

夏季実験
冬期実験

避難所を模擬した睡眠環境に関する研究

背景
実験概要