銅合金って?

「銅合金」と聞いてあまりピンとくる人は少ないかもしれません。銅合金というのはその名の通り、銅を主成分として様々な金属を混ぜ合わせた金属のことを指します。そんな金属を用いて私たちは日々研究を行っています。

粉末冶金、焼結って?

「粉末冶金」や「焼結」という言葉は、皆さんは初めて聞く言葉かもしれません。
粉末冶金とは、金属の粉末を「金型」に入れて圧縮して固め、高温で「焼結」して精度の高い部品をつくる技術のことを指します。
では焼結とは、焼いて結合させることを指します。焼き固めることで、金属粉末一つ一つが結合し強固で丈夫な製品を得ることができます。
参考:日本粉末冶金工業会, https://www.jpma.gr.jp/powder_m/

どんな研究を行っているの?

環境に配慮した銅合金のための材料研究や、壊れた銅合金系部品の再修復(リマニュファクチャリング)についての研究、導電性向上のための銅合金についての研究などを行っています。

ここでは近年注目されているリマニュファクチャリングの研究についてお話します。

まず、皆さんは「リマニュファクチャリング」という言葉をご存じでしょうか。持続可能な社会を実現するために欧米を中心に導入されている取り組みです。先述したように、壊れた部品を新しく取り換えるのではなく、壊れた部品を新品とほぼ同様までに修復することでまた使えるようにしよう、というものです。特に、自動車、建設機械、航空機の3分野での導入割合が多いのですが、ここでは自動車に注目していきます。

自動車部品の多くは「粉末冶金」という製造方法で部品が作られています。しかし、粉末冶金で製造された製品に対するリマニュファクチャリングの事例が少ないのが現状です。

そのため、プロセス班が材料作製の強みとして持っている「粉末冶金」を通じて、粉末冶金製品に対するリマニュファクチャリングを粉末冶金というアプローチから実現したい、という想いでこの研究を行っています。