機械学習って?

近年話題となっている「機械学習」について、すでに知っている方も多いとは思いますが、少しだけ説明しておきます。
機械学習とは、AI(人工知能)の一種であり、データから規則性を見つけ学習し、精度の高い答えを出すためのアルゴリズムや手法のことを指します。
例えば、私たち人間が数学の教科書を読み公式を覚え、問題集やテストを解く際に覚えた公式を応用して解答するように、機械もデータから学習し、その経験を応用することで新たな問いの答えを導くというイメージを持っていただければと思います。

参考:LinkX Japan株式会社, https://www.ai-souken.com/article/what-is-machine-learning

どんな研究を行っているの?

様々な分野でAIが導入される中、機械学習を用いて材料の画像解析を行うことで、材料開発の効率化を図るマテリアルインフォマティクス(Materials Informatics)という分野が注目を集めています。
なぜ注目を集めることになったのか、それは材料開発の方法に起因します。ここで、新しい合金の開発について考えてみましょう。
従来の材料開発では、まず各金属の構成や組織を調べます。その情報を基に、どのようなものに応用できるのかを考慮しながら機能・特性を明らかにします。ここまでで得られた情報から、各金属を掛け合わせることで目的の機能を持つ新規材料を作製していきます。
しかし、配合する割合が変わると合金の特徴が大きく変わってしまいます。そのため、どの金属を、どれくらいの割合で配合することで目的の機能を持つ材料が得られるのか、条件探しの地道な研究が始まります。

このように、新規材料の開発には膨大な時間と研究者の努力が詰まっています。

そこで、効率化のために注目されたのが「機械学習」です。機械学習を用いることで、材料の機能・特性を基に新材料の探索や単純作業の自動化、ビッグデータの相関・法則解明などに対して貢献できると期待されています。

プロセス班では、環境負荷物質低減に向けて活躍が期待される硫化物分散青銅に着目し、この金属組織画像を基にして材料分野における機械学習の実用性評価を目的とした研究を行っています。