研究成果

ナノ~マクロ材料の機械的特性の評価技術の開発と工学的応用

[材料工学研究室]

材料工学は社会生活に役立つ材料を創製するための理論や物理的・化学的な性質を評価する技術についての研究を行う分野です.材料工学研究室では,“材料の強度・機能評価技術の開発と機器・構造物の破壊事故防止”という社会的ニーズに応える工学的諸問題を研究内容とし,これらの課題の解決に指導的な役割を果たしています.そして,ナノスケールからマクロスケールまでの様々な材料の評価技術の開発と工学的応用を目指します.例えば,評価技術を用いた材料の機能や劣化状態の評価,計算機シミュレーションに基づく力学的な挙動の評価,材料強度メカニクスに関する研究に取り組んでいます.


フロン代替冷媒の性能評価と応用

[熱工学研究室]

フロンの代替冷媒として二酸化炭素が注目されています.これを作動流体とした沸騰関連機器を設計するためには,流動様式とその遷移を把握することが性能向上には必要不可欠です.右図は強制流動沸騰系において,圧力5.0MPaの高圧条件 下で管内径1.0mmの水平細管を流れる二酸化炭素の流動様相を観察したものです.低クオリティ条件では,大気泡が形成されるスラグ流が形成されていますが,高クオリティ条件では液膜流が形成される環状流へと流動様式が遷移しているのが分かります.このように二酸化炭素を細管に流した場合,マクロチャンネルに通常流体を流した場合と同じ様な流動様式が発生することを明らかにしました.


生体機能モデリングによる
完全自己組織でできた心臓代用弁の設計・作製と機能評価

[流体工学・バイオメカニクス研究室 ]

流体工学・バイオメカニクス研究室では,国立循環器病研究センター研究所,京都府立医科大学,日本大学獣医学部と共同で,自己組織で形成された実形状心臓代用弁(バイオバルブ)を開発しています.このバイオバルブは,①患者自身のコラーゲンでできており,生体適合性が高く成長が見込める,②患者の体内で形成するため,培養,無菌室管理が不要で安全・簡便,③複雑構造の組織が作製可能と,これまでには無い特徴があります.本研究室では,下図のようなバイオバルブ作製に必要な鋳型を生体機能モデリングと生体外模擬実験技術を応用することで,設計・製作し動物実験なしに機能評価を行っており,その臨床応用が期待されています.