2024年の能登半島地震では、歴史的建造物が数多く被災し、歴史的なまちなみを残す重要伝統的建造物群保存地区(以下、伝建地区)も13地区が被災しました。このうち、最も被害が大きかった伝建地区が輪島市の黒島地区です。本プロジェクトでは、伝統的木造建築の構造を研究する研究者の有志でチームを作り、地震直後から黒島地区の被害調査を行い、地区の建物の地震被害の要因を分析するとともに、その成果に基づき修理や補強に関する技術的アドバイスを行っています。
伝建地区には伝統的な木造建築が密集しているため、大きな地震が発生し多数の建物が被災した場合、地区の復旧が長期に渡るため、被害の大きい建物には余震や他の災害による二次被害を防ぐために応急補強が必要となります。また、伝建地区の建物は比較的類似した規模や構造形式を持つ建物ものが多いため、地区全体で被害分析を進め適切な修理・補強の方法を検討していくことも重要となります。今回の取り組みを通じて、伝建地区の地震対策の在り方や、災害後の建築構造分野の復旧支援のシステムを整えていければと考えています。





