現場における手書きメモのAR

我が国の社会資本ストックは高度経済成長期に集中的に整備され,今後20年間で,建設後50年以上経過する施設の割合は加速度的に高くなり,一斉に老朽化していくインフラを戦略的に維持管理・更新することが求められている.また,維持管理業務は増加の一途を辿るのに対し,就業者の高齢化が進み,技術力の伝承が進まないことも問題となっている.
一方,作業品質の向上や効率改善などのために可搬型のスマートデバイスの活用が広がっている.図面や写真をタブレット等に取り込み,現場の各種点検・新規教育の効率化やペーパーレス化につながっている.
本研究では現場向きのスマートデバイスの利用という面で,手書きで自由に書き込める事に注目し,スマートデバイスで作業者が手書きでメモした内容を現場でAR(Augmented Reality)表示することを目的とする.作業者が頻繁に入れ替わるような作業場での引継ぎ連絡や,ベテラン作業者と新人作業者間での教育などの情報共有に繋がると考える.

 

作業現場における手書きメモのARシステムの提案, 浅井優志, 廣瀬詢, 安室喜弘, 情報処理学会第80回全国大会.