12/8(土)-9(日)景観・デザイン研究発表会@長崎


12/8(土)-9(日)にかけて長崎市で開催された
第14回景観・デザイン研究発表会において、
「都市と川との一体性という観点からみる京都鴨川改修計画の景観設計の変遷」という題目で発表し、
優秀講演賞に選んでいただきました。
ご指導頂いた先生方、昨年度、共に研究に取り組んだ仲間に記して感謝申し上げます。

今回の学会発表を通して感じたこととして、何事にも通じることですが、
今まで自分が疑問に思わなかったことでも、少し違った視点から見れば大きくその捉え方が変わるといったことです。
ある大学の先生から「鴨川のことをどう思いますか?」と質問され、僕は「日本を代表する川だと思って研究しています」と回答しました。
するとその先生は「(環境の面から見ると)私はそうは思わない」と仰られました。
このように、一つの河川をとっても視点や立場の差でこんなにも捉え方が異なるのかと再認識させられました。
特に景観分野においては、自分の考えは自分の考えとして持ちつつ、広い視野で物を見ることが重要だと思います。

今までになく、大勢の専門家の方々の前での発表で緊張はしましたが、発表・質疑応答ともに今自分ができる限りのことはできたと思います。
今後これらの経験を糧にし、もっと良い論文・もっと良い発表をできるよう、日々研究に励みたいと思います。
(M1 栢原)

学会の前後には、シンポジウムで話題にあがっていた鍋冠山へ夜景を見に行ったり、
出島橋を見に行ったり、長崎の風景を堪能しました。
今回の学会では、東工大の齋藤先生から
「実景を観察して集団表象の動的安定を図ることが肝要」との論考が発表されていましたが、
この言葉を励みに、実景に触れながら風景について考え続ける研究室にしたいと思っています。

長崎市の景観は、県・市の取り組みにより、どんどん魅力的になっていっており、
学ぶところが大きかったです。
写真は、出島橋と、それを観察している4回生の濱田さんです(橋に溶け込んでわかりづらいですが…)。
(林)

最後に、学会を聴講した4回生濱田さんの感想を:

今回,様々な視点における景観分野の議論から多くのことを学ばせていただきましたが,
特に私は「景観の捉え方は,主体者の創造能力に依存する」という言葉にはっとさせられました.
私は景観分野を学び始めて日が浅いですが,最近になり思うことは,「景観」というひとつの言葉の中にも,
実際に景観を作り上げる技術者の知識だけではなく,文化や歴史,民族性や心理・思想など多くの知識と思いがそこには詰まっており,
議論しつくせないほどに広い分野だということです.
問題提示されている景観の問題部分が分からない,想像力がない,着眼点が乏しいなど,
自分の研究に対する力不足が研究を進めていく程,日に日に強く感じます.
創造能力を上げる方法は人により様々あるとは思いますが,今の自分が圧倒的に足りないものはなによりも知識の貯えだと思いました.
研究発表を聞いていても,聞き慣れない言葉や思想があり,「白砂青松」という言葉も今回始めて耳にしました.
景観に対する捉え方は人により様々ですが,その景観を捉えた先の,自らが問題を提示し議論できるよう様な段階にまで到達できることを目標にしていきたいです.
知識を得ることに対して貪欲に,何事においても疑問が持てるように,今後も研究と勉学に励みたいと思います.
(B4 濱田)