AIによるトンネル切羽面の岩盤評価法

山岳トンネルの設計は,地山の工学的諸性質を類型化して地山分類(=地山等級区分)を行い,地山分類に応じて標準的な支保構造(=支保パターン)を設定する.トンネル工事の施工にあたっては,切羽の観察・計測により地山等級を判定し,「安全性」及び「経済性」を確保した合理的な施工ができるよう,必要に応じて支保パターンの変更を実施し,標準支保パターンによる支保工のみで対処できない場合は,適切な補助工法を選定しなければならない.トンネル地山等級の判定は,切羽における岩の硬さや亀裂等を観察し,その結果を点数化して地山を評価するものであるが,その評価基準・様式等については統一されたものがなく,各現場において担当者がそれぞれ工夫してきた次第である.このことから,近畿地方整備局ではトンネル地山等級の判定を客観的かつ統一的に運用するため,平成18年にトンネル地山等級判定マニュアル(試行案)をとりまとめ,現在これを運用している.