京都伏見地区における地下水保全と地域再生に関する研究

京都市伏見地域は良質な地下水が豊富に賦存しており1)、古くから日本酒造りが盛んである。当該地域では透水性の良い礫層と海成粘土層であるMa9が南北に一様に分布していることが確認されている。しかし近年、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素(以下、硝酸性窒素)による地下水汚染がMa9以浅で検出されず、Ma9位深地下水からのみ検出された。硝酸性窒素は地表面から浸透し、地質起源では発生せず、水溶性で土壌への吸着がないために、地下水とともに移動することが分かっている。本研究ではMa9以浅とMa9位深の地下水流動を個別に明示し、対象地域の深層地下水のみが汚染されたプロセスを解明することを目的とする。