テーマ

概要

環境とは、ある主体を取り巻く外囲です。
わたしたちの世界において、主体とは「人間社会」であり、外囲とは、「自然」「自然生態系」です。
現在の地球温暖化やそれに伴う気候変動による災害、あるいは生態系サービスの劣化等は、人間社会がこれをとりまく外囲としての自然、自然生態系にさまざまの変化を与え, これが再び人間社会に悪影響をもたらした結果といえます。
わが国では特に低炭素社会、資源循環型社会、自然共生型社会の三社会像を掲げ、それらの統合的アプローチによる環境政策が推進されてきています。

本研究室では、持続可能な未来社会に向けて、この三社会像の実現を基軸とし、加えて、気候変動に対する緩和・適応策の検討を通じて、震災、水害に強いまちづくり、人々が歩いて楽しい健康まちづくりの実現も含め,そのために必要となる科学的エビデンスを生み出すツールの開発や、都市・圏域のシナリオ計画・評価システムの構築を主たるテーマとしています。

本研究室では、次のような環境領域について社会環境システムに関するテーマを中心に取り組んでいます。

環境領域の図

これまで学生が取り組んだ領域別の卒業研究としての主なテーマ


・気候変動を考慮した雨天時汚濁負荷の推定のための降雨特性分析
・降雨特性に応じた雨天時越流負荷量簡易推定手法の検討
・気候変動適応策を考慮した水辺環境再生の方向性
・グリーンインフラ導入による雨水流出抑制効果の算定
・熱中症搬送者データに基づく都市の暑熱に対する脆弱性評価
・d4PDFを用いた将来降雨特性の変化と水収支への影響評価
・d4PDFを用いた確率雨量の変化とそれに基づく内水氾濫解析


・南海トラフ地震の事前対応整備地域開発に伴う周辺の考察
・大規模地下空間における内水氾濫による浸水対策の検討
・津波時の車避難と要援護者支援を表現するシミュレーションモデルの構築
・内水・外水氾濫時の住民避難のリスク要因分析
・内水氾濫特性の評価を目的とした小排水区の類型化
・災害図上訓練における住民の発言内容分析
・短時間集中豪雨を想定した大規模地下空間の浸水対策の検討
・内水氾濫に対する重点地域決定のためのリスク評価システムの構築
・市民の都市水害に対するリスク認知と対応策への関心
・避難シミュレーションに基づく地下空間の防災行動計画


・地域の歴史的な環境資源を活かしたまちづくりの考察
・駅周辺の土地利用転換に併せて健やかな暮らしを支える適応型まちづくりの考察
・健康ウォーキングを支援する要因分析
・千里北公園を対象とした健康増進に寄与する歩行空間形成の考察
・明和池公園を対象とした利用目的と利用満足度との関係に関する調査研究
・京阪神地区の鉄道会社によるハイキング・ウォーキングイベントのコース設定に関する研究
・公園の利用実態に基づく暑熱と市民の健康増進行動の関係分析
・健康ウォークを支援する音楽制作とその効果
・健康増進広場における暑さ指数の推定と利用者の暑熱障害分析
・暑熱環境と日常生活行動の関係性分析


・家庭用燃料電池を用いた近隣住宅間での温水融通の可能性
・下水処理水熱カスケード利用システムの導入効果の解析
・分散型電源としてのコージェネレーションシステムの導入による効果
・自家用車利用との比較によるカーシェアリング利用特徴の分析
・自治体政策と持続可能な開発目標(SDGs)の関連分析


・ごみ焼却施設と下水道施設との連携による環境負荷低減効果の検討
・下水汚泥の集約処理による消化ガス発電の有意性の検討
・汚泥の集約化処理における環境負荷低減の検討
・下水処理場への複合バイオマス受入による環境負荷削減効果
・マイクロな建物推計に基づく災害廃棄物量算定手法の構築及び耐震化施策の軽減効果の定量
・広域的災害廃棄物マネジメントのための発生量推計モデルの構築
・更新ケース分析に基づく地方圏域における生活排水処理システムのLCA/LCC評価


・水土保全のための森林環境活動の分析と考察
・森林環境税の運用における生態系サービスの解釈と代表として間伐事業の規模に関する考察
・豊岡市の環境配慮型農業に対する生態系サービスへの支払いの受益構造分析
・街路整備を通した住吉川沿いのみどりの回廊形成の考察
・都市と川との一体性という観点から見た京都鴨川の景観設計の変遷
・静岡県内の小学校校歌を素材とした富士山の文化的サービス価値の評価
・CSR報告書を用いた企業の生態系サービスに関わる環境保全活動の分析