北海道胆振東部地震レポート 〜災害は忘れた頃にやってくる〜

執筆者:奥村ゼミ3回生 西村映輝

7月13日、14日に奥村ゼミ3回生4名は、「子ども新聞プロジェクト」というものに参加させていただき、北海道を訪れました。

厚真町では、観光協会事務局長の原氏に話を聞きました。ここでは、特に印象に残った厚真町吉野地区で聞いた話を中心に書こうと思います。

北海道胆振東部地震で震度7を観測した北海道厚真町では36名が犠牲となりました。今回訪れた吉野地区では13世帯34名が暮らしていた集落が約1キロにわたる土砂崩れで埋まり、住民の半数以上の19名の命が奪われました。

崩れた斜面を固定化する作業が進んでいます。急斜面の上に重機がみえます。

今回の土砂崩れは地震の揺れから数秒で土砂が家を飲み込んだために逃げるのは難しいものでした。一瞬で命が奪われる、自然の脅威を改めて感じました。

半年後の今年2月には震度6弱の大きな余震が発生しました。厚真町で被害がなかったことは幸いでしたが、本震から時間が経っていたので住民の危機感が薄くなっていたそうです。住民は地震後に食料の備蓄や家具の固定など「備え」をするようになったのですが、この余震の時まで続いていませんでした。普段からしていないことを継続することは難しいと思いました。

「災害は忘れた頃にやってくる」と言われるようにいつ起こるかはわかりません。地震後は備えようと意識しているけど、徐々に薄れていく。常に備えをしておくことは現実的に難しいと思います。ですが、日常的に行っていることが災害時に役立つことを北海道で学びました。土砂崩れの時に2階で寝ることで生き埋めにならないようにする、家具の固定、自分の住んでいる地域の地形を把握して液状化被害に備える、少しのことで助かる命が増えるかもしれません。日常から行なっていることが災害時に役に立てばとても効果的であると思いました。

現地で見聞きすることで授業などを通して資料を読むだけでは感じることのできなかった、人々の思いや取り組みを知ることができました。日々ゼミ室で研究することも大切ですが、人、ものに触れ合うことで気づくことがたくさんあることもわかりました。

ハスカップ日本一の町、厚真町。ハスカップ農家も地滑りの被害を受けました。